夢幻泡影
「ごめんなさい…
あたし…もう……戻るね…」

土方から、逃げるようにして屯所を出た


『こんな血でなければ、素直に土方さんのもとを選んだよ
この血のせいで、新選組が利用されたり
襲撃されたら嫌だ
ごめんなさい…あたしは稔と遠くで暮らすから…』









「稔!ただいま!」

「おかえり! もう戻らないかと思ったよ」

「もう!稔ったら! うぅっ」

「瑛?どうした?瑛?」


急に吐き気に襲われ、倒れる



「瑛?どこか痛むのか?」

「気持ち悪い」

「医者を呼ぼう!」








「おめでとうございます!!」






瑛は懐妊していた



吉田とは男女の関係はない

土方との子供



「ごめんなさい… 」

「子は宝!2人で育てよう!
そのためにも、今夜生き延びなければいけないね?」

「稔…いいの?」

「はははっ瑛がそばにいてくれるならね」


吉田が優しく瑛を抱きしめる

土方と違う温もりではあるが

安心する瑛はそのまま眠ってしまった
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