夢幻泡影

「瑛をこちらに…」

「圭尚!なぜここに?」

「貰いにきたんだ」

「圭尚?あなた本当に圭尚ですか?」

「総司、こいつは圭尚じゃねぇ」

「土方…その血があれば、儲かるぞ?」

「ふざけんな!!」

「ふざけていない!紗瑛よりも強い!
素晴らしい!!ついに、使い方がわかった!!わっははははは!!」

「何物だ?」

「俺は、瑛の本当の父親だ!」

「なに!?」

「ふははっ 治癒人の力を手に入れた!
やっとだ!紗瑛は良いものを残してくれた!わっははははは!!」

「うっ…くっ…」

「瑛?大丈夫?」

「沖田さん…具合は?」

「おかげさまで、ずいぶん良いです!」

「さぁ!瑛…一緒に行こう?」

「圭尚?…なの?」

圭尚の目は、金色だった

「そうだ!我が娘よ!」

「え?…何言って…」

「治癒人の力が欲しくてなぁ
俺は、紗瑛を犯した
そして生まれたのが、瑛…
お前の父親は、俺だ!!
血を売れば、儲かるぞ?」

「圭尚…?」

「ああ…圭尚だよ! 体はね…
圭尚は、紗瑛が好きだった…
僧侶になっても、紗瑛を忘れられないでいた
心の闇を俺が喰ったのさ
そして、ようやく支配した」

圭尚の額から、角が現れた

「鬼…?」

「そうさ、お前の血が毒になるのは、俺の血が入っているから…
さぁ!おいで?」

「悪いな、圭尚…
瑛は、渡さねぇ!!」

圭尚が落ちている刀を拾い上げる
土方が、刀を構えた


「土方さん!!ダメ!!」

「総司!動けるか?」

「はい!」

「瑛を連れていけ!」

「はい!」

「沖田さん!!いやぁ…」

沖田が瑛を抱える

ばたばたと抵抗する

「瑛!!じっとして!お願い!!」

「やだ!沖田さん!降ろして!!」

「うわっ!!瑛!!」

どうにか、沖田の腕から降り

土方と圭尚の間に入る

「お願い!土方さん、圭尚、辞めて!!」

「瑛、父親と好いた男とどちらをとる?」

「どちらも選ばない!
あたしは、稔といく!!」
< 92 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop