夢幻泡影

「あっ!!良いこと思いついた!!」


吉田が嬉しそうに言う


「沖田くん!噂の三段突きしてよ?」

「ええ、そのつもりです!」

吉田が刀を収める

「こら!吉田!!刀は構えとけよ!!」

「いいから!いいから!」

沖田が圭尚に、三段突きを繰り出す

吉田が圭尚の後ろに回り込み

圭尚を羽交い締めにする


「俺事、挿して!!」

「吉田!!お前!!」

「稔!!何で!!」

「早く!!」

「吉田…お前…」

圭尚の目の色が元に戻る

角も引っ込む

「石田さん!お願いします!
私が人であるうちに!!」

圭尚と土方だからこそわかる〝石田さん〟
と呼びかけた

「早くしろー!」

「うおーーー!!」

グサッ


土方が圭尚と吉田を挿す


すぐに刀を引き抜く


「おのれーー!!!」

金目に戻った圭尚が立ち上がって
刀を振り回す

沖田と土方が刀を受ける

後ろから、吉田が圭尚を斬る

吉田がふらふらしながら、瑛のところへ

瑛は、震えて動けなかった

もうすぐ瑛のところへ、たどり着くはずだった
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