あの日あの場所で、凍りついた時間が…
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それから2日間はおかゆなどの軽い食べ物から初めて最近やっとジュースなどが飲めるようにもなった。





あとは点滴だとかしないといけなかったし一週間は朝6時の起床とともに看護師さんが血液採取しに来たりととにかく忙しかった。





あと不便だなーと思ったのはトイレに行くときは車椅子で、それも動かせれない曲げれない右足を一生懸命車椅子の隙間に板を挟んでそこに足を乗っけてからトイレまで行ったりととにかく大変。





そしてそんな生活にもそろそろ慣れ始めた日のお昼時。







音楽聞きながら携帯いじってた私の元へ本日担当の看護師さんがやってきた。





「澪音ちゃーん、起きてる?」




起きてますよーと返事をするとカーテンから少し顔を出していた。




「えっとね、その紙を見てもらったら分かるんだけど...」




そういって紙を渡される。










が、







私は曲げれないし動かせない為腕を伸ばしてその紙を取ろうとするが取れない。







なんですか、これは。
看護師さん。意地悪ですか。






「あ、そうだった。とれないんだったね、はいどうぞ」





そういって冗談っぽく笑うと紙を手元まで置いてくれた。









うん、あの笑顔は確信犯だ。








そこに書かれていたのはリハビリについてだった。







「えっとね、明日の午前中からリハビリが始まるの。それでね詳しくは明日、リハビリの場所まで担当のおばさんがついていってくれるからその人に聞いてね。はい、あとこれはリハビリに行くときに持っていくカードね。これがないとリハビリ出来ないと思ってて」





そういってカードを手渡される。
そしてじゃあまた夜来るねと、笑顔で手を振って看護師さんはナースステーションまで帰っていった。






やっぱいつ見ても思うのは、あの看護師さんは私が言ってた幼稚園の先生に似ている。








夕方、毎日来てくれるお母さんにそれを話すと笑っていた。








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