骨による骨のための狂想曲

 あたしは何食わぬ顔で日常生活に戻る。
 クリスマスが終わった町は、謹賀新年にむけて忙しい。あたしも普通の会社員として忙しい毎日を過ごす。
 当然、彼は「行方不明」。最後に会ったのはわたし、警察が捜査に来ることもあるけれど、あたしが彼を殺した証拠は何一つ出ない。
 でも家宅捜索をされたら、ちょっとこまってしまう。なにせ、気に入った「サンタさん」の骨は、標本にして地下に並べてあるのだから。
 夜になると彼らをベッドに連れ込んで、彼らを舐めたり味を思い出したりしながら……一人で絶頂に達するのが、あたしのやり方だ。
 そして今年の彼も骨格標本にして、リビングに連れて来てある。
「ただいま」
 骨になった彼に、キスをする。骨だから、反応はない……はずなんだけど。
「あれ?」
 骨格が、動いたような……と思った瞬間、骸骨があたしを抱き寄せた。
「おっぱいの強調されるタートルネックか、エロい恰好しやがって。男を煽ってんのか?」
「う、うそぉ……」
 骨が、あたしの胸を揉んでいる。もう片方の手は、スカートを乱暴にたくし上げて好き勝手に這いまわる。
「不思議なこともあるもんだな? 骨になっても生きてるぜ、俺」
「やだ、なんで!? や、やめて」
「やめて? どの口が言うんだか」
 ぐちゅ、と厭らしい水音が響く。でもそこに、骨がぶつかる音が混ざるのが、なんとも不可解だ。
「骨にヤられるってどういう気分なんだ?」
「さ、最高よ……」
「おかしな女だぜ……」
 きゅっ、と胸の頂きを摘ままれて、あたしは簡単にイってしまった。
 でも彼は、それだけで許してくれない。ベッドに投げ飛ばされ、大きく足を開かせられる。
「や、やだ、恥ずかしい……」
「何を今更。俺のあらゆるところを見たお前がそれを言うか?」
 骨が二本、濡れそぼった膣に差し込まれた。きゅうん、と背筋が痺れる。
「おーおー、いい締め付け具合だ。見事だねぇ」
 骨が、ケタケタと笑う。あたしの、愛しい骨。
「どれ、クリスマスは終わっちまったが、俺もサンタコス、してくるかな」
「お風呂場……干してあるわ……」
「了解、まってろよ」
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