骨による骨のための狂想曲
疼く身体を持て余したまま、ベットで待つ時間は、やたら長く感じる。
自分で慰めようと指を伸ばしたところで、サンタさんの衣裳を纏った彼が、踊るように戻ってくる。
「メリークリスマス! 骨になっちまった俺にはもう、アレがないからな、その代わりに……これをやる」
プレゼント、と言いながら彼があたしに見せたのは……大人のオモチャ。極太のバイブだ。
「そら、呑みこめ!」
骨でかき回されてすっかり解されていたあたしの穴は、するりとそれを飲み込んでしまった。
自分でも、信じられない。
「抵抗ナシかよ。いやらしい女だぜ」
楽しげに骨が笑う。笑いながら、体中を骨がなぞる。指ではない刺激が、たまらない。
バイブと骨に攻められて、あたしの頭の中は快感と混乱でぐちゃぐちゃだ。
潮を吹いた瞬間(自覚はない)、骨があたしの喉に噛み付いた。
「いたいっ……」
「お返しだぜ。今度は俺がお前を食ってやる」
「……え……」
じゅるじゅると、あたしの血が啜られていく……変な気分だ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
あたしは今、骨格標本になって、彼にご奉仕している。
どうやらあたしたちは、人間の肉を食べたら人間に戻る——そんな体になってしまったらしい。
何らかの呪いなのか、ホラーなのかよくわからないし、治るのかどうかもわからない。
たいていは、あたしが人間の姿だ。できるだけ普通の、日常生活を送る。そうじゃないと、家賃が……ね。
人間の肉を一体食べれば、暫くは餓えることがない。
もちろん、固体それぞれ味が違うが、男も女も、若い方が美味しいので、町をフラフラ徘徊している若者たちを拉致して、食べてしまう。
処理に困るのが骨だが、これは細かく砕いて保存してある。
というのも、骨で暮らしてみると、時々ぶつけたり転んだりして、骨が欠けたり折れたりしてしまうのだ。痛みはないが、直した方が良い。
その時に、市販の接着剤に骨を粉々に砕いたものを混ぜた方が修復しやすいことが判明した。
「これで、彼がいつ壊れても直せるわ!」
「お前に使う回数の方が、多いけどな」
それは彼が、夜、激しいから仕方がないと思う。