Rainbow Note
Autumn
秋晴れ
今日の空は澄み切っています。雲もとても白くて程よくプカプカ浮いています。
秋晴れ。私はこの季節が大好きです。
秋。それは私たちにとっては、とても大事な季節のようです。なぜなら…
「よしっ‼︎次こそは‼︎次の学校の文化祭こそは男をゲットしてお母さんにバカにされる毎日に終止符を打ってやろうじゃないの‼︎」
「おーー‼︎」
そう。私の学校は中高一貫の女子校。つまり、《近くに男の子がいる。》という環境を経験していない人ばかり。そのため、この時期になると他校の文化祭に行って彼氏ができたり、できなかったり、そうじゃなくても男友達ができたり…色々と楽しいのです。
今、武士の棟梁かのように一致団結を促していたのは私のお友達の綾奈ちゃん。普段はちょっとドジで面白い子だけど、どうしても文化祭に行くと他の誰よりも大人しくなってしまう。けれど本当はとてもロマンチストで女の子らしい女の子。
「でも綾奈ちゃんはコミュ力ないから、他にも何人か誘わないとまた敗北だよ?」
と、厳しいお言葉をサラッと口に出す夏帆ちゃん。夏帆ちゃんは一見大人しそうだけど…どうなのだろうか。私と夏帆ちゃんは綾奈ちゃんを通して少ししか話したことがない。そのため、私も夏帆ちゃんのことはあまり知らないのが本当のところだ。
「じゃあさ、うちも行くよ‼︎その…なに?男狩り?」
またもやガサツな言い回しをする日和は中1からの付き合いで、ガサツな性格だというのは私もよく知っている。でも、日和は色々なことに積極的で人との会話にも慣れているので日和が着いて行くと聞いて少し安心した。
それも束の間。
「じゃあさ、和もいこうよ‼︎っていうか和ここの学校知り合いいなかったっけ?」
「え?私?ここの学校…いることにはいるんだけど、小学生以来連絡とってないし、多分私のことも忘れてると思うよ?」
「えー?覚えてるでしょー‼︎大丈夫だよきっと‼︎和行こうよー…」
大変なことになってしまった。私も人のこと言えないぐらい会話力がなくて、ましてやルックスに自信なんて微塵も無い。でも、ここでチャンスを掴めばもしかしたらもっと高校生活をもっと楽しめるかもしれない。
「じゃあ、私も行くよ。」
本当にこの時は知らなかった。こんなに楽しくて苦しくてそれでも幸せと感じられることがあるということを。