空になった君へ。


涙がとまらなかった。


チョビをバスタオルで包み、家に連れて帰ろうとしたが、重かった。


とても、一人で運べる重さじゃない。


「私の車に乗せていきなさい」


近くの住宅街に住んでいた男性が車のトランクにチョビを乗せた。

私達も後部座席に乗り、家まで男性が送っていってくれた。


その後知ったことだが、その男性は道路に溢れたチョビの血を洗い流してくれたという。
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