【完】千鳥の舞う花火。
「……あり、がとう……。」
千鳥がとうとう、手の平で顔を覆って、声を上げて泣き出した。
顔は隠れていて見えないけど。
花火に照らされた千鳥の姿は、
とても綺麗で、儚かった。
花火が打ち上がる中、後ろにいた真耶さんが千鳥の横まで歩いて来る。
「千鳥……ごめんなさい……っ。私がもっと、あなたを強い体で生んでいたら……!」
「何言ってるの、お母さん……。あたしは、この体で満足してる。そりゃあ、長生きしたかったなとは思うけど。……お母さんが生んでくれた体だもん。不満なんて無いよ。」
「千鳥……!」
「……今まで有難う、お母さん。泣いてばかりじゃダメだよ? お母さんには、笑顔が似合うから!」