【完】千鳥の舞う花火。








「はっ……どこまで、格好いいんだよ……お前は……っ。」





……この一ヶ月、俺達と過ごした千鳥は、本当に幸せだっただろうか。



沢山の笑顔を、溢れさせることが俺に出来ただろうか。



ほんの少しでも、明るい未来を、千鳥に見させてあげることが出来ただろうか……。





「ちどり……っ!!」





花火の舞う夜空の中


千鳥はちゃんと天国へ、


迷わずに行けただろうか。





『愛している。』




その言葉は真っ直ぐ、


千鳥の耳に届いただろうか。






「……きっと、届いたよ。昴くんの想いは、千鳥ちゃんにも届いたから……。」




『死から、目を逸らしちゃダメだよ。』








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