【完】千鳥の舞う花火。
――次の日。
千鳥の葬式が行われた。
俺、百合、明、隼人、志帆、幸、篤司の全員が参加し。
千鳥が骨になるまで、最後の最後まで、その姿を見届けた。
千鳥の最後は、優しく、体の体温とは真逆の暖かい微笑みだった。
――「……明日、帰るよ。」
海岸に腰を掛けて、こちらへと押し寄せては戻っていく、小さな波を見つめていた。
「明後日から学校だから。明日の夜行バスで帰ることにした。」
「……そうか。」
隣に、同じように腰掛ける百合。
放り出すかのように投げ出していた俺の手に、重ねられた百合の手の平。
感じる、生きる人の体温。
……千鳥とこの海に来たとき。
あの時確かに、千鳥は生きていた。
確かに、千鳥の体には同じ体温があった。