【完】千鳥の舞う花火。
生きていたんだ……。
千鳥と繋がった手は、確かに体温を持っていた。
「……千鳥ちゃん、幸せだったと思うよ。」
「……そう見えるか?」
「うん。……昴くんに愛されて、あたし達仲間が出来て。……本当に、幸せだったと思う。」
細波はザブーン、ザブーンと音を立てる。
白い雲は青い空を不規則に動いて。
地面を駆ける子供は笑顔、一瞬の時を生きていく。
「……だから。」
「ん……?」
「明日の花火大会……、一緒に行きませんか……?」
…………。
「……ふは、なんでいきなり敬語?」
「な、なんか、緊張しちゃって……。」
手の甲に乗せられた、自分よりも小さな手に、指を絡めた。