【完】千鳥の舞う花火。
「え、と……嘘……。……昴くん?」
「はい! お久しぶりです!」
実は真耶さんは、初恋の相手の母親。
昔から良く遊びに来た俺を、真耶さんは本当の子のように可愛がってくれた。
「本当久しぶりねー。益々凛々しくなっちゃって……。戻って来たの?」
「まぁ、父さんの仕事の都合で……。これからまた、お世話になります。」
「いえいえ、こちらこそ。あの娘も、昴くんが帰って来たことを知れば喜ぶわ。」
そう言って微笑んだ真耶さん。
そう、微笑んだんだ。
微笑んだのに……。
「ちょ、どうしたんですかっ、真耶さん!!」
微笑んだあと、真耶さんは静かに涙を流した。