【完】千鳥の舞う花火。
父さんは部屋の荷物を片付けていて、母さんは車の中で爆睡。
真耶さんは急に泣き始め、俺の頭の中は混乱し始めていた。
「ごめんなさい……急に泣いたりして。」
数分背中を撫で続ければ、真耶さんは少しして気を取り直した。
それでも目は赤くなっていて、もしかすれば最近、ずっと泣いていたんじゃないかなって思う。
……母親想いのアイツが、泣いている真耶さんをずっと放置しているとは思えないけど。
「……昴くん、少し悪いんだけど。」
「はい?」
「今から、少しお時間頂けないかしら。お父さんには私から伝えておくから、来て欲しい場所があるの。」
来て欲しい場所……?