【完】千鳥の舞う花火。
あと28日
side 小野昴
窓を開ければ、暖かい日差しが部屋に差し込んだ。
さすが夏の日と言うべきか。
太陽がギンギンと輝いていて、眩しい上に暑い。
父さんが冷房をつけ始めたので、窓は閉めた。
「母さん、千鳥のとこ行って来る。」
素早く支度をして、母さんに告げる。
「こんな朝早くから行くの?」
「……アイツに残された時間は短いから。」
家を出れば、当たり前だけど家より何倍も暑かった。
扇風機やクーラーのついていた場所とは、全然空気が違う。
「……アイツ、アイス食えんのかな。」
昔から千鳥が好きな、ソーダ味のアイスを買って行ってやろう。