【完】千鳥の舞う花火。
平気そうな顔をしていたけど、やっぱり千鳥も寂しかったんだ。
「これ、やる。」
「なになにー? わっ、アイスだー!」
アイス一つで子供みたいにはしゃぐ千鳥。
仮にも、高校三年生だってのに。
思わず笑ってしまう。
「な、なんで笑うのよー!」
「い、いや……っ? 別に……くくっ……。」
「笑ってるじゃない!!」
俺の腹に、千鳥の鉄拳が飛んだ。
「っ、いてぇ……。」
病人のくせに、馬鹿力……。
「って、おい千鳥! それは俺のアイス……!」
「知らなーい。」
「お前は昔からソーダだろ! コーラ返せ!」
「あたしへの見舞いに入ってたもーん。」