【完】千鳥の舞う花火。








ああ言えばこう言う。



まるで本当の子供を相手しているよう。





「んーっ、美味しーい!」



「ああっ! 俺のコーラが……!」



「きゃははー! いただいちゃったー。」





……それでも、千鳥が笑顔だから、これでいいのかも知れない。










「昴ー、ひまー。」



「ひま、って言われてもなー……。」





気づけば昼を過ぎて、午後一時になっていた。



朝十時ぐらいには家を出たのに、千鳥といるといつも時間が経つのが早い。





「お前、歩けんの?」



「少しぐらいなら平気だよ。」



「んじゃ下行こうぜ。腹減った。」





千鳥は病院食を食べたけど、俺はその間もずっと隣にいたからな。








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