【完】千鳥の舞う花火。
「久々の病室外だー。」
「あんまり行かねえの?」
「一人で行っても面白くないもん。」
一階のコンビニでサンドイッチを買う。
何となくそのまま二人で、病院内にある中庭に出た。
八月の昼間は暑い。
太陽はギラギラ。
「昴ー! 見て見てー、タンポポー!」
普段なら絶対に外なんて出ないけど、千鳥と一緒の外は全然苦にならない。
「綿毛か。もう真夏なのに、まだ残ってたんだ。」
少し離れたところで呼ぶ千鳥を追えば、千鳥の足元には綿毛のタンポポが咲いていた。
「ねえねえ、これ、ふーってしても良いかな?」
「良いんじゃねえの?」