【完】千鳥の舞う花火。
あと20日
side 小野昴
どんなに苦しくても、
どんなに悲しくても、
笑顔を絶やさない君に、
俺は何をしてあげられるだろう。
「すーばーるー?」
「うおっ!」
「何ぼけーっとしてんの? 寝不足?」
ピタ、と額に当てられた冷たい千鳥の手。
覗き込む顔が近い。
「……ちょっと考え事。」
額に置かれた千鳥の手を払い、顔を逸らした。
「考え事?」
「考え事。」
「なにー?」
「秘密。」
お前の為に出来ることを考えてるとか、絶対言えねえだろ……。
「今日は何したい?」
「今日はー……。」