【完】千鳥の舞う花火。








以前、真耶さんが言っていた言葉を思い出す。





『病気については去年の秋頃にわかったの。でももうその時は手遅れで……。』



『千鳥……病気のことがあったからか、新しいクラスにも馴染めていなくて……。』





腫れた目で寂しそうに言った真耶さん。



彼女の気持ちが分かる。





千鳥はいつだってグループの中心だったんだ。




気は強かったけど、メンタルは人一倍弱くて。



友達を傷つけられたときは、泣きながら相手に説教する奴なんだ。





そんなお前が……“ひとりぼっち”なんて、似合うわけがないのに。





入院したのはつい最近、夏休みが始まってからだと言う。



それまでの三ヶ月……千鳥はずっと一人で……。








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