【完】千鳥の舞う花火。
「昴、そろそろ行くぞ。」
「……おう。」
父さんが俺にそう声をかければ、さっきまでの楽しい雰囲気は一気に無くなる。
明はまた号泣し始めて、
次は百合までもが涙を流し始めた。
俺はソッと百合の涙を、指で拭い取る。
もうこれからは、こんなことも出来ないんだ。
「元気でな、昴。」
「アンタなら大丈夫! 引っ越し先、地元なんでしょ?」
「また皆さんで遊びましょうね。」
隼人(はやと)……
志帆(しほ)……
幸(さち)……。
みんな涙ぐんでいた。
「辛くなったら、いつでも戻っておいで。」
先生まで……。