【完】千鳥の舞う花火。
後ろから肩に手を置かれる。
隼人だ。
「昴……。」
隼人は俺のことがわかったような目をしていた。
“本気か?”
隼人の目がそう訴えている。
「……本気だ。」
隼人の手を振り払った。
隼人は知っている。
俺の想いも、百合の想いも。
そして俺がして来た、百合への接し方も。
隼人の目からすれば、今の俺は相当残酷なのかも知れないな。
――コンコン
「千鳥、入るぞー。」
いきなりドアを開くなんて真似はしない。
まさにこの病室の常連な俺だけど、そこんところの礼儀はちゃんと弁えている。