【完】千鳥の舞う花火。
柄にもなく、泣きそうになってしまった。
唇を噛み締め、涙を堪える。
また会えると言っても、今日が最後。
二学期からは俺だけが、違う学校に通うんだ。
……最後ぐらいは、笑いたい。
「……おまえら、またな!!」
精一杯の大声と笑顔で、そう言った。
「またなーっ!!」
「す、昴くん、好き!」
「連絡寄越せよ。」
「頑張りなー!」
「いっぱい話、聞かせて下さいね。」
「う、美しき友情……!」
なんか百合は告白してるし、先生は別の意味で泣いてるし……。
それでも、十分だった。
みんなの心は伝わった気がする。