【完】千鳥の舞う花火。
担当医の人が来る。
白鳥美嘉(しらとり みか)先生。
大学二年生と高校一年生の子供がいるというのに、見た目がとっても若い人。
「落ち着いた? ちどちゃん。」
「うん……。」
美嘉先生は、あたしのことを“ちどちゃん”って呼ぶ。
カウンセラーの資格も持つ美嘉先生は、あだ名で呼ぶことで患者との壁を無くすんだって。
気安い性格で話しやすいから、あたしも美嘉先生が好き。
「窓、割っちゃったんだってね。怪我はしなかった?」
「大丈夫……。どこも痛くない。」
「なら良かった! ちどちゃんに怪我があったら、あたしもだけど、何より隣の彼が泣いちゃうもんね!」