【完】千鳥の舞う花火。
「ごめんね、ちどちゃん。昴くんがいた方が安心するかも知れないけど、ちどちゃんの個人情報だから。」
美嘉先生はさっき撮ったばかりのカルテを取り出して、ホワイトボードに貼っつける。
光によって、カルテのあたしの体は見やすくなった。
「……ここがね、弱ってる。」
そう言って先生が指したのは、心臓の辺り。
「……余命を宣告したのはあたしだけど、ちどちゃん……九月まで、生きられないかも知れない……。」
九月まで生きられない……?
九月まで、もうあと少しなのに?
今日は二十二日……あと十日も、あたしは生きられないの……?