【完】千鳥の舞う花火。
「出すぞ。」
「ああ。」
父さんの問い掛けにも、笑顔で応えることが出来た。
車が動き出し、だんだんと今まで住んでいた家から離れていく。
先生を含んだ六人は涙を流しながらこっちに手を振っていて、俺も今度は涙を隠さずに手を振り替えした。
「ずっとダチだぞーー!!」
最後に聞こえたのは明の大声。
だけどその声も、次第に聞こえなくなる。
窓から体を乗り出しても、もうみんなの姿は見えなくなっていた。
背もたれに背中をつけて、開きっぱなしだった窓を閉める。
「……悪いな。」
「父さんが謝ることじゃない。それに、地元だろ? 楽しみだ。」