【完】千鳥の舞う花火。
「確かに百合は可愛い。学校のマドンナだ、可愛くないはずがない。」
うっ……。
無意識なんだろうけど、爆弾でも落とされた気分……。
「だけど、俺が好きなのは千鳥だ。三年間、マドンナが隣にいても、好きなのはずっとお前だけだ。」
……爆弾、一瞬で鎮火。
大粒の雨が、あたしの中で降りまくる。
その雫はあたしの目から、次々へと零れて。
「ふぇ、っ……。」
「前向きで、元気で、約束を破らない……泣き虫な千鳥が好きだ。」
昴の腕の中で泣く。
大声を上げて泣くのは、久々だった。
余命を宣告された時も、泣かなかったのに。