【完】千鳥の舞う花火。
今は涙が止まらない。
昴の腕の中というこの空間が、とても心地好い。
「……千鳥、愛してる。」
“愛してる”
そんなこと、言うガラじゃないくせに。
無理して言ってるのが丸分かり。
だけど、他の人が言う“愛してる”よりも重い痛みを感じて、例えそれがこの場限りだとしても、嬉しかった。
「あたしが死んでも、愛してくれる?」
「ずっと……千鳥を愛してる。」
唇を重ねたのは、これで二度目。
もうこのキスは、あの時のような約束でも、大人の真似事でもない。
ただただ純粋に、相手が好きで交わすキス。
あたしのセカンドキス。