【完】千鳥の舞う花火。
「あと二年もしたら、あたし達も受験だねー。」
「先の話はすんなよ。まだ中学生になったばっかだろ。」
「二年なんて、あっという間だよ。あたし達なんか、あっという間に大人になって、あっという間に死んじゃうんだから。」
「千鳥は現実味だなー。」
一緒に花火を見上げて話したあの日。
友達みんながあたし達に気を利かせてくれて。
二人きりの空間。
「昴はさー、大きくなったら何になりたい?」
「俺ー? 別に、なりたいものなんてねえなー。ずっとこのまま、子供でいたい。」
「何それー。本当、昴は子供なんだから。だから成績もそこそこなんだよ?」