【完】千鳥の舞う花火。








「うっせーなぁ。対して千鳥と変わらねえだろ、成績。」



「十点差は変わると思うけど?」



「うっせえうっせえ。そういう千鳥は、将来の夢とかあるのかよ?」





あの日はあたしの宝物。



赤いヨーヨーを手首につけて、

その手で昴が買ってくれた、わたあめを食べた。


美味しかった。





「あたしはねー、看護婦さんになりたいんだー。」



「看護婦? 狂暴な千鳥が?」



「昴、殴るよ? ……あたし赤ちゃんが好きだから、出産の時に立ち会いたいなぁーって。」



「ふーん。……千鳥、小さい子供とか好きだもんなぁ。」




「……なれる、かな?」



「……さあ?」








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