【完】千鳥の舞う花火。
まだ中学一年生。
まだまだ子供なあたしの夢。
「なれるだろ、千鳥なら。」
無意識に震えるあたしの手を、昴がソッと繋いでくれた。
花火はあたしの好きな赤から始まって、昴の好きな青で終わった。
思い出の花火。
あたしの宝物。
あの花火が見れるのは、もう今年が最後。
「……また、二人で花火を見に来よう。」
「……あぁ、約束な。」
もうあたし達に、“また”は無い。
今年が最後。
最後の、十日間。