【完】千鳥の舞う花火。
「あははっ。でも千鳥ちゃん、可愛いもんねー。」
それを聞いていた百合が笑って、千鳥が軽く頬を染める。
ここ数週間、数日で、千鳥を含んだ俺達の絆は更に深まった。
千鳥も毎日笑っていて、前みたいな不安定になることは無い。
一応、美嘉先生から軽い安定剤と発作を抑える薬を預かっているが。
今のところ、発作が起きる様子も無い。
なんだかんだ、みんなが笑顔で、千鳥はこのまま生きるんじゃないか。
そう思ってしまう。
そんな奇跡、起こるはずもないのに。
「すばる……?」
気づけば、千鳥の顔が目の前にあった。
俺を見る目は、ほんの少しの不安を宿らせている。