【完】千鳥の舞う花火。
「千鳥ちゃん……。」
沈黙が続いた中、一番始めに口を開いたのは百合だ。
病室に置いてあった椅子に腰を下ろしていた百合だけど、そう言うなり立ち上がって。
「ゆ、り……?」
俺の腕に、腕を絡めた。
「っ……!!」
「……あたし、昴くんが好き。だから……。」
「絶対、負けないから……。」
意志の篭った鋭い眼差し。
向けられた千鳥だけじゃなく、隣にいる俺にまで、その強さを感じた。
「……ごめん、昴くん。あたし、気分悪くなったから先に宿戻ってるね。みんなにも謝っておいて。」
「ちょっ、百合……!!」