【完】千鳥の舞う花火。
「軽い過呼吸だ。もう落ち着いて来てるし大丈夫だろうけど、今日の外出は……。」
「……だな。避けるべきだ。」
呼吸の落ち着いて来た千鳥が、ジッとこっちを見る。
……言いたいことは分かる。
外に行きたいんだ、コイツは。
俺達と外に行って、普通の高校生みたいに……。
「……また、明日行こうぜ。今日はダメだ。」
そう言って俺は、千鳥の頭を撫でて宥めた。
千鳥は小さく頷いたけれど、やっぱり少し寂しそうに影を落とす。
……こればかりは、どうしようもない。
念のため、呼吸が落ち着いた千鳥には、美嘉先生から持たされていた薬を飲ませた。
薬の副作用か、飲んで数分もすれば千鳥は眠りにつく。