【完】千鳥の舞う花火。
あながち、百合の想像は間違っていない。
引っ越しが無ければ。
千鳥と再会しなければ。
俺は今でも、変わらず百合に接していただろう。
だけど千鳥と再会した今、それらは全て“〜〜だろう”の、予測にしか過ぎない。
「百合……。」
「あたしね、昴くん。……あたし、昴くんのこと、好きだよ。」
「……だけど、千鳥ちゃんも好き。大事な仲間だと、思ってるの。」
少し、驚いた。
自分に気がある素振りをして、本当は他の人が好き、だなんて。
当然、良い気はしないだろう。
だから勝手にだけど。
百合は千鳥を、仲間として認めないだろうと思っていた。