【完】千鳥の舞う花火。
青い空に輝く太陽は、ギラギラとこの世を照らし続けていて。
俺達はそれを当たり前として、この世で生きている。
“生きている”
それの重さを知らずに。
――「あれ? おまえ、もしかして昴!?」
家を早く出過ぎた為、近くの民宿に泊まる明達を迎えに行こうとした時。
「やっぱ昴じゃん!! 変わってねえなー、おまえ!」
後ろから掛けられた懐かしい声に、俺は思い出す。
「篤司……。」
山岡篤司(やまおか あつし)。
かつて中学時代、俺と千鳥の同級生でありクラスメートだった奴。
花火大会で俺と千鳥が二人きりになれたのも、コイツの思案があったからだ。