【完】千鳥の舞う花火。
「“十一時、○○駅。”だってさ。」
画面を覗いていた明くんが言う。
ちなみに、今は十時半を過ぎたところ。
あと数十分で十一時になる。
「……これって、十一時に駅集合ってこと?」
「多分……。」
「駅に行くのは隼人だけですか?」
「いや、昴のことだし、全員だろ。」
話したのは順に、志帆、湯川くん、さっちゃん、明くん。
みんな行く気なのか。
いつもなら宿を出て病院のある左に曲がるのに、駅のある右へと曲がろうとする。
湯川くんも、昴くんに素早くメールを返していた。
あたしはいつも傍観者。
無口では無い、自分の意見もあるし、話し合いには混ざるようにしてる。