【完】千鳥の舞う花火。







「“十一時、○○駅。”だってさ。」




画面を覗いていた明くんが言う。




ちなみに、今は十時半を過ぎたところ。


あと数十分で十一時になる。




「……これって、十一時に駅集合ってこと?」


「多分……。」


「駅に行くのは隼人だけですか?」


「いや、昴のことだし、全員だろ。」




話したのは順に、志帆、湯川くん、さっちゃん、明くん。




みんな行く気なのか。


いつもなら宿を出て病院のある左に曲がるのに、駅のある右へと曲がろうとする。



湯川くんも、昴くんに素早くメールを返していた。




あたしはいつも傍観者。


無口では無い、自分の意見もあるし、話し合いには混ざるようにしてる。








< 87 / 121 >

この作品をシェア

pagetop