【完】千鳥の舞う花火。








ただ、余計なことには口を出さないタイプ、って言うのかな。



明くん達みんなが話していても、いつもあたしは聞くだけだった。


それを悪いとは思わない。



だけど、こんなあたしだから……。


こんなあたしだから、こそ。




あたしは、昴くんに惹かれたんだと思う。



いつも積極的に、一生懸命に、何事にも取り組む彼に。




「百合、行くよー?」




今となっては、あたしの片想いで。


きっとこの先、実らない恋だと思うけど。





……それでも。


昴くんへの想いは本気だから。


あたしは伝えたい。

伝えなくちゃ。




「ごめんね、みんな。あたし、先に千鳥ちゃんに会って来るよ。」




最高の仲間で、

最高のライバルな、


昴くんの想い人に。








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