【完】千鳥の舞う花火。








――呼吸器をつけて、ベッドに寝転ぶ千鳥ちゃんは苦しそうで、とても痛々しかった。



どうやら昨日


あたし達が帰ったあとに、また倒れたらしい。




千鳥ちゃんの死を間近に感じて、軽く体が震える。


こんなにも死は、あたし達の間近にあるんだ。




「すばる、は……?」



少し乱れた呼吸のまま、千鳥ちゃんは口を開く。




「……知らない。」



素っ気ない言い方だったかもしれないけど、本当に知らない。




明くんや志帆達は、昴くんと合流したあとにメールするって言ってくれた。



だけど泊まってる宿から駅は、病院に行くより遠いから、きっとまだ合流してないんだろうな。




新着メール0件。








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