【完】千鳥の舞う花火。
「そっか……。」
千鳥ちゃんは、そんなあたしを責めはしない。
自分が、“学校のマドンナ”なんて言われていることは知ってる。
あたしは天然ではないから。
かと言って、自分がそう呼ばれる程の容姿を持ってるとも思わないけど。
……あたしは性格が悪い。
あたしと幼なじみの志帆は知ってるけれど、昴くんや明くん達は、きっと知らない。
学校のみんな、クラスメートも知らないはず。
……あたしとは大違いな千鳥ちゃんが、ほんの少し憎くて。
羨ましくて、好き。
「寂しい?」
「……寂しくないよ。」
弱音を吐かない千鳥ちゃんの心は。
あたしなんかと違って、凄く綺麗。
凄く、綺麗なんだ。