【完】千鳥の舞う花火。








「そっか……。」




千鳥ちゃんは、そんなあたしを責めはしない。




自分が、“学校のマドンナ”なんて言われていることは知ってる。


あたしは天然ではないから。


かと言って、自分がそう呼ばれる程の容姿を持ってるとも思わないけど。




……あたしは性格が悪い。



あたしと幼なじみの志帆は知ってるけれど、昴くんや明くん達は、きっと知らない。


学校のみんな、クラスメートも知らないはず。




……あたしとは大違いな千鳥ちゃんが、ほんの少し憎くて。


羨ましくて、好き。




「寂しい?」


「……寂しくないよ。」




弱音を吐かない千鳥ちゃんの心は。


あたしなんかと違って、凄く綺麗。



凄く、綺麗なんだ。








< 90 / 121 >

この作品をシェア

pagetop