【完】千鳥の舞う花火。
真っ白で、世界の汚れを知らなそうな彼女が、どうして。
どうして……死ぬ、運命なんだろう。
死ぬのがあたしなら、きっと誰も困らないのに。
「……なんで、百合が泣くの?」
ふと千鳥ちゃんに言われて、あたしは自分が泣いていることに気づいた。
「あ、れ……?」
頬を伝い、あたしの手の平を濡らすのは、確かに涙。
あたしの目から零れた、少ししょっぱい、雫。
「……ど、して……。」
「…………。」
泣いているのは自分なのに、あたしには、泣いている理由が分からなかった。
千鳥ちゃんはただジッと、涙を流し続けるあたしを、ベッドに寝転んで見上げていた。