【完】千鳥の舞う花火。
千鳥ちゃんが生きられない分、あたしは精一杯に生きて。
いつか、あたしは千鳥ちゃんに勝ちたい。
だってあたしは、まだ生きることを、許された人間だから。
「あたしだって、百合には負けないから。」
そう言った千鳥ちゃんの表情は、先程までの苦悶の面影は全く無くて。
初めて会った時のような、元気で明るい、少し緊張したような、そんな笑顔。
今の千鳥ちゃん、精一杯の、太陽みたいな笑顔。
――……♪♪♪♪〜♪〜
突如病室に鳴り響いた、あたしのメール受信音。
送信者は志帆でもさっちゃんでも無く、昴くんだった。
隣に寝転んでいた千鳥ちゃんも体を起こして、あたしの携帯を覗き込む。