【完】千鳥の舞う花火。
「いいのか?」
「いいさ、友達の門出だ。……最後ぐらい、綺麗なものを見せてやりてえ。」
篤司が突き出した拳に、明と隼人が拳をぶつけた。
そして俺の前に伸びて来たその拳に、俺も拳をぶつける。
それだけで、心が一つになった気がする。
「派手に行こうぜ!!」
「「「おう!!」」」
本当は、涙が零れそうでヤバかった。
篤司の言った“門出”は、
この世からあの世への、新しい生活と長旅。
……同時に、二度と会えない、死との対面。
「……陽が沈むな。」
「……あぁ。」
茜色に染まっていく青空。
カラスの鳴き声が響く夕暮れ。
隣に出来る自分の影。
最後
最後の、思い出。