【完】千鳥の舞う花火。
――時が進むのは、いつもより早く感じた。
それこそ、まるで一瞬のように。
「みんなーー!!」
「千鳥、連れて来たよ!」
「お待たせしました!」
百合、志帆、幸が、
車椅子に乗った千鳥を押して、俺達のいるグランドへと駆け寄って来る。
その後ろには約束通り、真耶さんと、その旦那さん、美嘉先生もいた。
「まさかの、親と医者のお墨付き?」
「……どこの親も、医者も、大事な人の最後には綺麗なものを見せてやりたいんじゃね?」
女性軍六人と男性一人が到着して、フィナーレが開幕する。
篤司、明、隼人がグランドの中央へと向かい。
俺は少し顔色の悪い、千鳥の細くて白い手を握る。
手が震えていたのは、きっと俺の方。