初恋イチゴ。˚*
「勉強会する為に春也の家に行ってる時に俺帰ったじゃん?
あの時は咲姫の看病だったんだ。
それから何日か両親用事で家開けてたから、
俺が休んで面倒見てたんだけど…
両親が帰ってくる日、事故にあった。」
予想以上に淡々と冷静に話す翠くんに驚いた
もっと動揺しているのかな?
って思ってたから…
でも本当はきっと…すごくしんどいと思うな…
「帰ってきた時にはもう
帰らぬ人になってたよ。」
「す…いく…ん」
電話の向こうの翠くんは冷静で泣いてなんかいないのに
なぜ私が泣くの…?
私がしっかりしなきゃじゃない
「葬儀は親戚だけでしたんだ。
誰にも言わないでほしいって先生に言ったから知らなかったんだと思う。
ごめんね、こんなこと聞かされてつらいでしょ」
翠くんは悪くないよ…
でもなんでか私の涙が止まってくれないの
「結苺は優しいね
人の心を考えて、そうやって泣けるんだから」
「そんなこと…ない、よ」
「優しいよ
ありがとう話聞いてくれて」
「ううん…」
ありがとうなんて言ってもらえることしてないもん
「私…しっかりしたこと言えなくてごめんね…
でもね、でも…話して少しでも楽になってくれたらなって…思ったの」
何も言えない代わりにちゃんと伝えなきゃ
「私は翠くんの味方だから」
「…ありがとう」
今回のありがとうは
少しだけ声が震えている