初恋イチゴ。˚*
『もしもし翠?』
暖かい声だ
「翠だよ」
『今から帰ってくるから
お土産待っててね〜』
「お土産あるんだ」
『あるある!
翠には面倒見てくれてたご褒美に、少しだけ豪華だからっ』
「それは楽しみだな」
チャラチャラしてるようで
意外としっかりした父さんだった
いつもはムードメーカーで
俺は冷たくする事もあったけど、尊敬してた
今更言っても無意味だけど
『いつもご苦労さん』
「ありがとう」
『あははっ
じゃあ、今から出るから!待っててね〜』
「うん、気を付けて帰って来てね」
『まかせて〜っ!
じゃあ後少しよろしくね翠』
「任せて」
そうして電話を切った
これが本当の本当に最期の会話だったんだ
俺があの時もっと
注意して言ってれば違ったのかな?
いや、あの事故は両親は何も悪くない
逆走してきた車がぶつかってきたんだから
仕方がないことだったんだ