初恋イチゴ。˚*




夜中に病院から電話があって


駆けつけた時には2人とも息をしていなくって

冷たくって


あの優しい笑顔の母さんも

あの暖かい声の父さんも






帰らぬ人になっていた






それからのことはあまり覚えていない

葬儀の時もただボーっとしていて
涙すら出なかったし



姉の花凪も、咲姫も碧も緋菜も
泣き叫んで



ただ、なだめることに専念していたような気がする





養子の事とかもあったし

誰にも何も連絡せずにいたな











「大丈夫か翠」











葬儀の時に心配してくれた片倉先生

今の義父さんにはなんて返したかすら覚えてない











「うわぁぁぁぁあああ」











妹弟たちの鳴き声だけは鮮明に覚えてる







その時思ったんだもん

俺がしっかりしていかなきゃなって






< 137 / 306 >

この作品をシェア

pagetop