初恋イチゴ。˚*
ジーッとお互いに見つめあっていた
それが何分なのか
はたまた何秒なのかわからないけど
ふと、翠くんが私から目を離した
「参ったなぁ結苺には
そうだよ。俺はずっとずっと夏恋が好き。
諦めるためにこんなことしてみたけど
全然消えてくれないから
もうやめる。」
「っ!ほんと!?」
よかった…よかったよ!!
そして翠くんはすごく久しぶりに見た
あの、優しい笑顔で女の子と向き合う
「ごめん
俺はもう2度とこんなことしない
他の子にも言っておいて」
きっぱりと目を見て断った
言われた女の子は頷くしかないと思ったのだろう
コクンと力なく頷いてくれた
「じゃあ結苺、
そんなに言ったんだから、ちょっと今日は付き合ってもらうよ?」
「え?えっ!?」
訳がわからないまま手を引かれ、歩き出す
振り向いて笑ってくれた翠くんの顔は
あの、無邪気な笑顔でした
まるでイタズラが成功したような
そんな楽しげな表情
やっぱり私は
一途で、無邪気な笑顔を見せてくれる
翠くんが好きだよ