初恋イチゴ。˚*




「った…」





「中途半端なことするからお前はつけこまれるんだよ!!」











これは本格的にやばいのでは?



翠くんは殴られた頬を手でおさえたまま動かない





なんで?なんで何も言い返さないの?











「つけこまれてなんかないよ」





「つけこまれてるじゃねーか!
泣いてすがられて!忘れるために付き合ってって言われて付き合うなんて!」





「そんなんじゃない
俺は…俺は美雨ちゃんが好きだよ。」











そんな顔して言われても説得力はない



昨日言った
好きになる努力をするってのは


本当に努力をしようとしているんだろう




でも好きって努力で好きになるものなのかな?











「おい、もういっぺん俺の顔見て言ってみろ
好きなら好きって声張って正々堂々俺の目を見て言えよ!!」











春也くんがどんどん追い詰める



それでも翠くんは声を荒らげることなく
春也くんに向き合う











「じゃあ言うけど
好きだよ。正式に言うと好きになりたい」











今回はちゃんと目を見てはっきりと言った







また、また…


私の心がどしっと重たくなる



黒いものがグルグル渦巻く感じがする





はぁ…自分ってどこまで酷い奴なんだろう…






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