初恋イチゴ。˚*




「俺、結苺のこと誰にも渡したくないんだよ」











あ、呼び捨てになった



どんどん近付いてくる山口くん




私が跳び箱から降りようとしたけど阻止されて
跳び箱に乗ったままの私に


いわゆる壁ドンと言うものをしてきた











「どうしても手に入れたいって思う
愛してくれるよな?」





「っ…」











山口くんの纏う雰囲気が怖い




どう言ったらいいのかわからない











「わ、私…翠くんが好きだから…」





「俺の前でそいつの名前出すなよ」





「……」











やだ。怖い




にっこり笑う顔はとても怖いようにしか見えなくなってくる











「俺を好きになって、愛してくれよ
じゃなきゃ片倉を潰す」





「えっ…」











翠くんを潰す??



何言ってるの…



何でこんなにもこだわるの?











「や、やだよ…
私は翠くんが好きなんだもん」











それでも私が言うと
山口くんが顔を近づけてきた






咄嗟に危ないって思って横を向くと

頬に山口くんの唇が当たる











「よけるなよ
いい度胸だな」





「ご、ごめんなさい…」











避けた事で余計に腹を立てた山口くんは
私をビンタしてきた






パンッ







と言う乾いた音が響く








いたいよ…





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